百名伽藍の中庭に、新たな石仏が設置されました。
「合掌菩薩」と名付けられたこの石仏は、その柔らかな表情が印象的です。
両手を合わせて精神を統一し、悟りを目指す菩薩様。
そのもとに木漏れ日が優しく降り注ぎ、見る者に得も言われぬ穏やかな感情を抱かせてくれます。
一説に、「仏像は、慈悲と悟りの理念そのものを人の形で象徴的に表現したもの」と言われます。
石仏を通して、その心に少しだけ触れることができたような気持ちがしました。
石仏の背後には、仏を守る仁王の如きガジュマルが、空間全体を包み込みます。
時を経て石仏とガジュマルは更に一体感を増し、その姿はより魅力を深めていくことでしょう。
菩薩様は、生命力を体現するガジュマルの巨木に守られ、静かな悟りの境地へと旅を続けているのでしょうか…。