先日の季節便りでご紹介しました、沖縄県立芸術大学と南城市による
『南城市伝統芸能祭2017 〜開闢神から伝承へ〜』を観に行ってきました!
南城市長のご挨拶から始まり、第一部では、各地域の伝統芸能による
歌三線や踊りが披露されました。児童の可愛らしい歌踊りから、
学生や保存会の皆さんの迫力ある踊りや演奏に、伝承の大切さを感じました。
『毬舞』(2009年撮影)/出典:沖縄県立芸術大学
舞い手:(左)高嶺美和子・(右)西田恵奈美
獅子舞:(左)南城市佐敷字津波古獅子蹴跳(舞)保存会(右)中城村津覇伝統芸能保存会
第一部の最後は、沖縄の獅子舞の元祖と言われる『毬舞(まりまい)』が披露。
琉球舞踊家 樋口美和子さん、西村綾乃さんと
津波古獅子舞と志多伯獅子舞の保存会の皆さんによる演舞です。
1719年首里城正殿前において中国皇帝の使者 徐葆光たち冊封使を歓待する
芸能の一つ「中秋の宴」で披露された舞を、想定復元した作品とのこと。
中国楽曲にのせて、二頭の獅子が二人の舞い手と戯れる様子では、
毬を獅子がキャッチしたり、舞い手が軽やかに獅子に乗って魅せたりと、
時にアクロバティックな技巧で、会場内に歓声が沸き上がりました。
『アマミク面』写真:高嶺久枝(沖縄県立芸術大学 琉球芸能専攻 教授)
面復元者:千本木智美 / 写真提供:瀬底正樹
第二部は、舞踊劇『琉球開闢神アマミク』です。
約60年ぶりに復元された、ミントングスクに伝わるアマミクのお面をかぶり、
うやがんまい(祖神舞)という詩にのせ、ヤハラヅカサに降臨する神秘的な第一場から始まります。
四場までを史跡物語で描かれており、百名伽藍の近隣に点在する史跡も舞台に登場します。
中でも祭りを司ったノロの衣装に身をまとい、
初の穂を持って神に捧げる初穂儀礼のシーンは、感極まる演舞に釘付けでした!
最終場は、華やかな「祀り」が披露♪
身の丈三メートル程の天人が村人の前に現れ、子孫繁栄や五穀豊穣を祈り幕を閉じます。
『初穂』写真:高嶺久枝(沖縄県立芸術大学 琉球芸能専攻 教授)
琉球舞踊を観るのは、今回が初めての経験。
琉球伝統芸能の奥深さと、それを今もなお創作し伝えていく姿に、
心打たれる夜となりました。
舞踊劇にも登場するヤハラヅカサは、百名伽藍より歩いて20分ほどの場所にあります。
当館ご来館の際には、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
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